Audacityのノイズ除去方法|設定の目安と声がこもるときの直し方

Audacityのノイズ除去を解説する記事のアイキャッチ。録音用マイクとヘッドホン。

録音した声の後ろに「サーッ」「ブーン」という音が続くときは、AudacityのNoise Reduction(ノイズ除去)を試せます。先にノイズだけの部分を読み込ませ、その特徴を使って、選んだ音声の雑音を小さくする機能です。

まずは声と間が入った10秒ほどを使い、処理前後を聴き比べましょう。この記事では、ナレーションや動画用音声を自分で整えたい方に向けて、操作の順番、設定の目安、声が不自然になった場合の調整方法を説明します。

画面の説明は2026年11月7日に確認したAudacity 4の公式マニュアルを基にしています。旧版で使われる表示名も必要な箇所に添えました。日本語訳は環境によって異なるため、英語の項目名を目印にしてください。

目次

Audacityのノイズ除去は、一定の背景音に使う

空調やパソコンのファン、録音機器の「サーッ」という音など、録音中に似た状態で続く音が対象です。急な物音や、声に重なった別の会話は処理が難しくなります。先に音の種類を聞き分けると、試す機能を絞れます。Audacity公式のノイズ除去ガイド

気になる音最初に試す対応
一定の「サーッ」「ブーン」Noise Reductionで短い区間を試す
一瞬のクリック音や破裂音Click RemovalやRepairの対象になるか確認する
話していない間の小さな雑音Noise Gateも候補にする
声に重なる会話・音楽、変化の大きい騒音録り直せる場合は場所や時間を変えて比較する

クリック音の修復やノイズゲートも、それぞれ処理の対象が異なります。短いクリックには修復機能、声の合間にはゲート、というように使い分けます。Audacity公式のノイズ除去・修復機能一覧

Audacityでノイズを除去する5つの手順

1.元の音声を別に保存して開く

録音ファイルをコピーし、元音声と編集用を分けます。たとえば元を「voice_original.wav」、作業用を「voice_edit.wav」としておくと、処理しすぎたときに戻しやすくなります。作業用ファイルをAudacityにドラッグするか、Fileメニューから読み込みます。

Effectメニューから適用する処理は音声データを書き換えます。作業中はUndoで取り消せますが、元ファイルも手元に残しておくと、後日やり直すときの比較に使えます。公式のエフェクト適用方法

2.ノイズだけの区間からプロファイルを取得する

録音の冒頭や言葉の間から、声が入っていない部分を探します。背景音が続いている0.5秒以上の区間が目安です。実際に再生し、息や語尾が混ざっていない範囲をドラッグで選びます。公式ガイドのノイズサンプルの選び方

続いてEffect → Noise removal and repair → Noise reductionを開き、Get noise profileを押します。ここで、減らしたい音の特徴をAudacityに読み込ませます。公式のNoise Reduction操作説明

選ぶ場所に迷うときは、台詞を読む直前の室内音を探してください。たとえば冒頭に椅子を動かす音があり、その後に静かな室内音が続いているなら、椅子の音が終わった後を使います。

3.声を含む短い区間で、設定を試す

次は、声と背景音の両方が入った10秒ほどを選び、同じNoise Reductionを開きます。選択範囲を声のある区間に切り替えたことを確認してください。

設定項目試し始める値調整するもの
Noise reduction6 dB検出したノイズを小さくする量
Sensitivity6どの音をノイズとして扱うかの感度
Frequency smoothing6 bands隣り合う周波数帯への処理の広がり

この3つは、確認時点の現行マニュアルに記載された初期値です。まずこの値で試し、聴こえ方に合わせて一つずつ調整します。公式マニュアルの設定値

「プレビュー(Preview)」が表示される環境では、そこで音を確認できます。短い区間に適用して確認する場合は、処理前の状態へUndoで戻してから、別の設定を試してください。公式ガイドの試聴と調整

4.除去される音を聴き、全体に適用する

Audacity 4のOutputには、処理後の音声を出すAudio with noise removedと、取り除く成分を出すNoise onlyがあります。Noise onlyを短い区間に適用して聴き、言葉がはっきり混ざっていたら設定を弱めます。確認後はUndoで元に戻し、OutputをAudio with noise removedに切り替えます。公式の出力モードの説明

旧版では、処理後の音声が「Reduce」、取り除く成分が「Residue」と表示されます。Residueの試聴中に声が聞こえたら、除去量や感度を下げる判断材料にできます。旧版マニュアルの出力モード

設定が決まったら、試しに適用した処理を取り消した状態から、必要な範囲全体を選んで1回適用します。練習用の区間だけ二重に処理しないよう、元音声に戻っているか確認してから進めましょう。

5.冒頭・中盤・語尾を聴いて書き出す

処理後は、冒頭だけで判断せず、中盤の小さな声や文末も再生します。確認箇所を毎回そろえると、設定を変えたときの違いを比べやすくなります。

  • 小さな語尾まで聞き取れるか
  • サ行や息の音が不自然に欠けていないか
  • 声の後ろに金属音や水中のような響きが増えていないか
  • 話し始めと話し終わりで、背景音の変化が気にならないか

仕上がったらFile → Export audioから音声ファイルを書き出します。Audacity 4の作業保存は.aup4、旧版では.aup3です。相手に送る際は、指定されたWAVなどの音声形式を選んでください。公式のプロジェクト保存 / 公式の音声書き出し

48kHz・24bit・モノラルなどの指定がある場合は、書き出したファイルの値も照合します。手順と練習用ファイルは、Audacityで納品用WAVを書き出す方法に用意しています。

声がこもる・ノイズが残るときの調整方法

声がこもる、語尾まで消える

いったん処理前へ戻し、ノイズプロファイルに声や息を含めていないか確認します。そのうえで除去量やSensitivityを下げ、同じ台詞で再試行します。Frequency smoothingも音の明瞭さに影響するため、上げた直後にこもった場合は、その値を戻して比較します。公式の音質劣化を抑える調整方法

試聴時は「ありがとうございます」の最後の「す」など、小さくなりやすい部分まで聞きます。音量の大きい一文と小さい一文をセットにしておくと、どちらの声も残せているか判断しやすくなります。

金属音や水中のような響きが出る

プロファイルと実際の雑音が合っているかを見直し、除去量を下げて比較します。感度や平滑化も少しずつ変え、変更のたびに元音声からやり直します。複数の値を一度に動かすと、どの変更が効いたか分かりにくくなります。公式の処理後に発生する音の説明

途中からノイズが増える、後半だけ効きにくい

前半と後半で、空調やマイクの位置が変わっていないか確認してください。録音中に背景音が変わる場合は、その区間のノイズだけを使ってプロファイルを取り直し、区間ごとに処理します。公式の異なるノイズへの対応

ボタンを押せない、処理が始まらない

まず再生・録音を止め、波形上で範囲を選び直します。「プロファイル取得用のノイズ区間」と「処理したい音声区間」の2回、選択が必要です。特にAudacity 4では、何も選んでいない状態でNoise Reductionが自動的に全体へ適用されることはありません。公式の選択範囲に関する説明

旧版でプロファイルのサンプルレート不一致のエラーが出たら、処理する録音内からプロファイルを取り直してください。また、Audacityを終了した後は、プロファイルの再取得が必要になります。旧版の制限事項

録音案件では、先に加工の可否を確認する

Upworkなどの録音案件で「raw」「unprocessed」と指定されている場合は、依頼主に認められた処理の範囲を確認します。自分の動画用音声と、学習データなどとして納品する音声では、求められる仕上がりが異なることがあります。

判断に迷う場合は、次のように確認できます。

Would you like the raw recording, or may I apply light noise reduction before delivery?

「未加工の録音をご希望ですか。それとも納品前に軽いノイズ除去をしてもよいですか」という意味です。回答に合わせて加工を決め、指定が厳しい案件では本番をまとめて録る前にテスト音声を確認してもらうと、作業の戻りを減らせます。

収録場所や納品時の確認については、Upworkで日本語の音声録音案件を2件経験した記録も参考になります。

録音前にできる、ノイズを減らす準備

録り直せる音声なら、編集に入る前に録音条件を一つ変えて比較してみましょう。たとえばパソコンのファンからマイクを離し、同じ台詞をもう一度録ります。その後でマイクとの距離を変える、と順番を分けると、音が改善した理由をつかみやすくなります。

Audacityで選んだ入力機器も見直します。外付けマイクを置いていても、録音設定では別の機器が選ばれている場合があります。テスト録音を再生し、声が小さすぎる場合は距離や入力音量を調整し、赤いメーターが頻繁に出る場合は入力を下げて確認します。公式のマイク設定とテスト録音

これから録る音声では、話し始める前に室内音だけの時間を2〜3秒入れておくと、後でプロファイルを選びやすくなります。部屋や機器の状態を変えたら、その環境でも短くテストしてください。

よくある質問

Audacityのノイズ除去は無料で使えますか?

標準のNoise Reductionは無料で使えます。Windows・Mac・Linux向けに提供されており、今回の手順は標準機能で行えます。Audacity公式の機能案内

ノイズだけの区間が見つからないときは?

冒頭・末尾・言葉の間を拡大し、声が入っていない区間を探します。対象となるノイズを単独で取り出せない場合は、この方法のプロファイル取得が難しくなります。録り直せる場合は、同じ収録の冒頭に室内音だけの時間を確保してください。

Noise Gateと使い分けるには?

Noise Gateは、設定した音量より小さい部分を抑える機能です。声の合間に残る雑音が気になる場合に候補になります。小さな語尾も対象になり得るため、最も小さく話す部分を含めて確認し、しきい値を調整します。公式のNoise Gateの説明

まず手元の録音から「背景音だけの部分」と「小さな声を含む一文」を選んでみてください。同じ場所を聴き比べる準備ができれば、設定を一つずつ調整しやすくなります。

音声録音の案件をこれから探す方は、Upwork初心者向けの日本語案件10選で、募集の探し方や応募前に確認する項目を整理できます。

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この記事を書いた人

Noriakiのアバター Noriaki Upwork翻訳者 / 海外フリーランス

Upworkを中心に海外クライアントから翻訳・文章作成の仕事を受注している副業フリーランサーです。
英語は得意ではなく、特に「話す英語」は全く自信がありませんが、テキストベースのやり取りと丁寧なコミュニケーションで毎月コンスタントに案件を獲得しています。
このブログでは、Upworkの始め方や案件選びのコツ、収益レポートなどを実体験ベースで発信しています。これから海外の仕事に挑戦してみたい方の背中を少しでも押せれば嬉しいです。

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